第26章 伝える 留める
二宮視点
S「なー。なんで俺に情報 曲げたんだ?」
翔さんが怒ってない声で質問してきた。
「翔さんはZEROのチームと行動をするっていつ聞きました?」
翔さんの質問に答えず質問をした。
S「俺?」
「そうです」
(先に翔さんの日本での行動が知りたいです)
S「えっと…収録終わって、急いで楽屋で衣装を着替えてたときかな…」
「その時はなんと?」
S「『楽屋で待機』だったかな?
そしたら、ZEROのスタッフがむかえにきて…
『スケジュールが変わった』って言うんだよ?
携帯に誰からの連絡入ってないから、おかしいなぁとは思ったよ?
でも、ZEROの取材は分刻みだから、相手方の都合かなって…」
翔さんが俺を見た。
「だからですよ…」
一枚の肉をつまんで口にいれる。
O「ニノ…翔くんの質問の答えになって無くないか?」
智さんが不満そうに言う。
(あなたがそういう事、言える立場ですか?)
「翔さんには、翔さんしかできない〝仕事〟があったんです
そんな時に、あなたの“だだ”を伝えれますか?」
O「そ、それは…」
口ごもる智さん。
「仮に、私が、マンマ報告した とします
翔さんは絶対仕事ほっぽってあなたを探しにいきますよ」
少しまえのめりになって智さんに言う。
智さんの口が少し動く。
(大げさって言いたいんでしょ?断言できますよ)
S「行くね」
冷静な声の翔さん。
(ほら、この声の意味。あなたならわかるでしょ)
S「和也。大体の内容は分かったけど、きちんと知りたい。時系列で教えて?」
(おう…和也ですか…)
「わかりました。(言葉注意だな…)
夜会の収録が終わるのをテレビ局の駐車場で、チーフと待っていました」
S「うん。そうゆう約束だったね」
「待ってる間のマー君のテンションは気持ち悪いくらい高くて…」
S「ほう」
ビールを一口飲む翔さん。
「この人は、何も話さず、ジッとシートに沈んでいました」
智さんをキッと睨むと、智さんはクッと肩を窄(すぼ)める。
(かわいい行動しても、攻撃はゆるめません)
「そこへチーフに電話がかかって来て『櫻井が別行動になった』と聞きました」