第25章 次兄の心情
「和也。大体の内容は分かったけど、きちんと知りたい。時系列で教えて?」
そういうと、和也は「わかりました」と告げ話しはじめた。
N「……チーフと待っていました」
「うん。そうゆう約束だったね」
N「あの時のマー君のテンションは気持ち悪いくらい高かったんですよ」
困った顔をする和也。
「ほう」(雅紀情報も入れるんだね)
ビールを一口飲む。
N「この人は、何も話さず、ジッとシートに沈んでいました」
ビシッと指先まで強い意志を感じるくらいで指さす和也。
指された智くんがクッと肩を窄(すぼ)める。
N「そこへチーフに電話がかかって来て『櫻井が別行動になった』と聞きました
そしたら『いやだ!一緒に行かない!』って車の外まで聞こえる声で叫んだんです」
和也が感情的な声を上げる。
N「で、マー君が『一緒に行こう』って肩辺りを触ったら、パシンって…」
肩に手を持って行って肩を弾くジェスチャーをする。
「それで、雅紀が泣いたんだ…」
N「ええ」
ちょっと表情が曇る和也。
N「まぁマー君もいきなり“ワーっ”ては泣きませんでしたけど…とにかく、昨日のこの人は“変”でした!!」
すぐ元の和也に戻る。
(変かぁ)
目を閉じふうっと息をはいて、智くんの方を向く。
O「俺は あの時『後で行く』も言ったじゃん」
智くんが頭を上げずに言う。
N「確かに、言いましたけど…
『一緒に行かない』と『さわるな』で、マー君は泣いたんですよ!
そこ!ちゃんと翔さんに伝えないと!」
感情をむき出しにしている和也。
O「ご、ごめん…」
圧倒されて顔を上げれない智くん。
N「チーフも最初は宥めてくれました。でも『イヤだ!家に帰る』って車飛び出しちゃって…」
「帰ったの?」
O「ううん…直ぐ捕まって…一人で羽田からハワイに来た」
頭を振って答える智くん。
「そっか…」
(俺が、一緒にいたら…智くんも和也も雅紀も泣かなかった…)
N「翔さん?」
「続けて…」(まだあるでしょ?)
N「空港に着いて、チーフと相談して、潤くんや他のスタッフにも、この人の“だだ”の事を伏せました」
「アンチ対策?」
N「はい」
一回頭を縦に下す和也。
(『ホントに仲が良い?嵐の15年目の亀裂』って見出しが見えるね…)