第24章 あの時の涙…今の涙
松本視点
N「アイバカさんは真に受けてしまって、なだめるの大変だったんですよ」
A「バカ言うな…」
涙目と声の相葉くんがふくれ顔で抗議してきた。
N「黙ってなさい…本当の事です」
聞く耳を持たないニノ。
A「グスン…」
翔さんの手をそっと触って下を向いた相葉くん。
(ああ…ニノまた泣かした…)
「相葉くんだけじゃないだろぉ?ニノだってけっこう無理してたみたいだしぃ?」
ニヤッと笑ってニノに声を掛けた。
N「潤くんは誰の味方なんですか?」
策士の顔のニノが俺に意見を言う。
「味方もなにも、俺にはあんな感情的になったニノ久しぶりだったよ」
(翔さんには、俺の知ってる情報も追加してもらおう)
N「そ、それは…否定しませんが、
みんなもぉ…あの…
ものすごく いやな空気になったら、泣くよぉ」
A「カズ泣いてたの?」
心配そうな顔でニノを見ている相葉くん。
N「あなたは、人の事まで見る余裕なかったでしょ?」
A「…ごめん」
N「まったくです。
チーフは怒ってるし、まーくんは泣きだすし…
ほんと…
一緒にいる私の身にもなってくださいよぉ」
ニノの頬を涙が流れていた。
S「ニノ…ありがとう…」
翔さんがニノを抱きしめた。
O「ごめんね…和也に負担掛けて…」
翔さんの横からリーダーが抱きしめている。
(長兄と次兄か…俺たちは良い兄貴をもったよね…)
ビールのグラスを持って見ていた。
小さく頭を振っているニノの耳がだんだん赤くなっていく。
(策士二宮の作戦だから、うまくいくと思って、チャチャは要れないように、動きだけを見ていたけど、
策士自体が相当のダメージだったから…)
もう、あまり冷えてないビールをゴクッと飲む。
(ニノは平気な顔して、一番繊細で、敏感なんだ…
俺の温もりだけじゃカズナリの寂しさを満たせねーよな…
リーダーと翔さんからの無償の愛と
太陽の様な相葉くんの笑顔も無いと、
ひねくれ天邪鬼のカズナリは満足しない
そうだろ?俺たちは五人で『嵐』なんだから…)
相葉くんは上を向いたり、目を擦ったりして、涙を止めようとしていた。
(真ん中もつらいね…)