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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第24章 あの時の涙…今の涙


二宮視点

「アイバカさんは真に受けてしまって、なだめるの大変だったんですよ」

翔さんがマー君をいつまでも撫ぜていそうだったからチャチャを入れた。


A「バカ言うな…」
 涙目と声のマー君がふくれ顔で抗議してきた。


「黙ってなさい…本当の事です」


A「グスン…」
 翔さんの手をそっと触って下を向いた。


(ああ…また泣かしたかなぁ…)


M「相葉くんだけじゃないだろぉ?ニノだってけっこう無理してたみたいだしぃ?」
 潤くんがニヤッと笑う。


(なによ。その笑顔は…)


「潤くんは誰の味方なんですか?」


M「味方もなにも、俺はあんな感情的になったニノ久しぶりだったよ」
 潤くんがニヤニヤ笑っている。

 
(なんか、恥ずかしくなってきた…)


「そ、それは…否定しませんが、

 みんなもぉ…あの…ものすごく いやな空気になったら、泣くよぉ」


A「カズ泣いてたの?」
 マー君が俺の方を心配そうな目で見る。


「あなたは、人の事まで見る余裕なかったでしょ?」

A「…ごめん」
 また、目をウルウルさせる。


(だから、泣かないでくださいよ…)


「まったくです。
 チーフは怒ってるし、まーくんは泣きだすし…」


結成のハワイ。

15年の節目でめぐってきた“奇跡”と言っていいくらいの、出来過ぎた企画

仕組まれた物なのかも、だけど、どうでもいい。

 俺はうれしかったんだ。
俺は〝この五人で生きていく〟そう決めて…

『所詮ジャニーズ』って言われたくないから、
したくもないモノにだって、『ジャニーズ』をなめんなよ!って、心の中で叫びながら全力を傾けた。


 だから、ある種のご褒美だと思えていた…

なのに…行く直前になって、一番大事な『嵐』の心がバラバラになっていく。



「ほんと…一緒にいる私の身にもなってくださいよぉ」


S「ニノ…ありがとう…」
 翔さんが痛いぐらい強く抱きしめてくれた。


S「お前が側にいてくれてよかったよ」
 翔さんの優しい声と温かさが体を癒してくれる。


翔さんのゆっくりした鼓動に包まれて、自分が肩ひじ張っていた事に気づいた。

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