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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第23章 じゃ、言わせてもらいます


大野視点

N「先ほど、謝罪がありましたので、穏便に処理しようと思いましたが
  自分を『兄』と申されたので、
  長兄としてあるまじき行動をやらかした事を次兄に伝えます」

(和也…やっぱり…翔ちゃんに言うんだぁ…)


S「えっと。ジケイって俺の事?」
 翔ちゃんがキョトンとした顔をする。


N「ええ。歳順として、翔さんは二番目です」
 和也の説明で翔ちゃんは納得した。


N「翔さんには潤くんと同じ情報を渡しました」


M「『個展用の絵でアトリエに籠る』ってヤツね?」
 松潤が話に入ってきた。


N「そうです」

(松潤も知ってるんだ…)

四人の顔が見れなくて、下を向いた。


(なんて言うべきかな?

 なんて言っても、飛行機の事は、俺が悪いんだし…


 アノ事…は、三人には伝えてない…)



チラッと松潤を見た。

 松潤は相葉ちゃんと和也の方を見ててこっちを見ない。


(松潤は…みんなになんて言ってるんだろう…)


S「智くん何したのさ?」
 翔ちゃんがいきなり質問してきた。


O「えーっと」(ごめん…聞いてなかった…)
 和也をチラッと見る。


(ひゃー怒ってるよ…)

N「『一緒に行かない』って言ったんだよ」
 ちょっとどころじゃない顔の和也が大きな声を出した。


S「え!ハワイ行きたくなかったの?」
 翔ちゃんも驚いた声で勢いよく立ち上がる。


「ち!違うよ翔くん!
 おいらは翔くんが別行動なら『違うので行く』って言っただけだよ」
慌てて翔ちゃんの腕を掴んで、おいらの言った言葉をつたえる。

(信じて…)

S「別行動…に、なってごめんね」
 シュンとする翔ちゃん。

(あぁ…翔ちゃん…そんな顔しないで、おいらがおいらの心が狭いだけだよ…)



M「だから!その『違うので行く』って…リーダー?
  飛行機は新幹線じゃないんだから、一本後で行くって無理なの分かってる?」

 松潤の指摘が胸を突く。

「分かってるよ。でも…あの時は、そうしたかったんだ!」
(今は、本当に悪いと思っているよ)

N「あの時は…本当に『どうしようか』と思いましたよ」
 宙を見上げる和也。

S「そんなに?」
 翔ちゃんが心配そうに和也を見る。

N「はぁ…」
 和也が翔ちゃんを見ている目に涙が集まって行く。

(和也を本気で泣かせたんだ…)
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