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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第23章 じゃ、言わせてもらいます


櫻井視点

N「先ほど、謝罪がありましたので、穏便に処理しようと思いましたが、

  自分を『兄』ともうされたので、
  長兄としてあるまじき行動をやらかした事を次兄に伝えます!」
 ニノが俺に向かって話し始めた。


(な…なに この空気…)

「えっと。ジケイって俺の事?」

まったく、ニノの意図する話が見えてこないから、聞きなれない言葉をピックアップして、詳しい詳細を引き出そうとした。


N「ええ。歳順として、翔さんは二番目です」
 怒っているというか、“策士二宮”の顔で話を進める。

(ファンの子が言う兄弟設定ね?

 智くんが長男。俺が次男 雅紀が三男。和也四男 潤五男だったっけ?末ズ双子だったけ?…
 まぁどうでもいいか…)


 ニノが俺を見つめる。


目で(話進めて…)と合図を送る。

N「翔さんには潤くんと同じ情報を渡しました…」
 ふうと息を吐いて、ニノが放し始める。


M「『個展用の絵でアトリエに籠る』ってヤツね?」
 潤がグラスを持って、小さく呟く。

N「そうです」
 ニノが潤の方を向いて頷く。 


(俺だけ知らないパターンだな…)


「その情報…違ったの?」
話しているニノを直視する。


N「翔さんは、さっきの智さんの謝罪が何のことか分からなかったでしょ?」
 ニノが困った顔で言う。

(確かに…智くんがあんなに素直に『ごめん』を言ったって事は、自分に非があった証拠)


「智くん何したのさ?」
直接智くんに聞く。


O「えーっと…」
 即答しない智くん。

 俺から目を逸らして、ニノに助けを求めている。


(駄々こねたの?拗ねたの?した事によっては小言言うよ…)


N「『一緒に行かない』って言ったんだよ!」
 ニノがラチが開かないと話を進める。


「え!ハワイ行きたくなかったの?」
衝撃的な言葉に驚いて勢いよく立ち上がった。


O「ち!違うよ!翔くん!
  おいらは翔くんが別行動なら『違うので行く』って言っただけだよ」
 智くんが慌てて俺の腕を掴む。



智くんが俺を見上げて、少し開いた口が震えている。

(さ、智くん…もしかして、俺のやってた事知ってるの?)
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