第3章 それぞれ歩幅を…
二宮視点
翔専属「ついさっきの事なんですけど…」
マネがいきなり話をふってきた。
俺が小言いった所為かな?と思いながら、聞く体制になる。
翔専属「アリゾナ記念館で、小さい子供がトコトコって櫻井さんの方へ行くんですよ」
S「そう!子供が走ってきたの!」
翔さんが普通のトーンで話し始めた。
M「一人?」
S「そう!何歳くらいかなぁ?三歳…四歳かも?」
A「日本人?」
S「うーん?日本語交じり、英語交じりだったから、日系の子って感じ…」
M「パニックになったの?」
翔専属「いえ、みんな静かに見守ってくれました」
S「現地のスタッフが、あわてて子供を連れて行こうとしたんだけど、
なんか喋ってるから、聞こうと思って、
しゃがんで『どうした?』って言ったら
“ショ・だぃ・そう・Cool・まぃー・つぎぃ・ラブ…”
聞き取れた、単語はそんな感じ?だったな?」
翔専属「そんな感じでした」
S「皆で聞いてもわかんなくて、大爆笑!
しかたがないから、抱っこして『お母さ〜ん』って呼びかけたのさ」
M「知らない子 抱っこしたの?勇気あるぅ泣かなかった?」
S「それが、手を出したらすぐ抱き付いてくれて、超かわいいの!」
翔専属「写真有りますよ」
「見せて!」
マネの携帯に子供を抱っこした親バカ全開のようなニコニコの顔に、何か耳打ちされてデレっとしてた写真だった。
A「ラッキーだね。この子!」
M「なにこのデレッとしたの?」
S「耳元でしゃべるから、くすぐったかった」
耳を触る翔さん。
翔専属「その後、ご両親と一緒に帰っていきました」
S「アロハ〜って見送ってたら『アロハ~』て手を振ってくれたよ」
翔専属「お父さんが『かっこいい翔が来てる。ママの次に好きな人』って事を伝えたかったみたいですよ」
S「そのなの?
じゃ、お父さんと握手した方がよかったのかな?」
テレ顔で頭をかく翔さん。
(どう…コメントしていいか、わからないじゃん…)
俺と潤くんはたぶん同じ気持ちだったと思う
翔専属「ダメです。
今回は何事もなかったけど、子供をダシに接近する人が増えたら困るから、むやみにしないでください」
S「あ、すみません。以後気を付けます…」