第18章 五人で前々夜祭
二宮視点
俺の手をそっと触って「あと、相葉ちゃん…」っと智さんが動き出した。
(マー君に?)目で智さんを追う。
A「え!俺にも?」
ビクッと大きく肩を揺らすほど驚くマー君。
O「うん。ずっと気になってたんだ」
智さんがマー君の所まで行く。
マー君は智さんの行動について行けないのか、固まっている。
O「おいら。相葉ちゃんの事『好き』だよ」
智さんが流れるようにマー君の体を抱きしめる。
マー君の両手の指がワラワラしている。
(なに、その驚きよう…)
マー君の足下にマー君の影とは違う、黒い小さな塊が動いている。
(あ…また動いている)
足元の黒い塊は、
マー君自体も気づいているのかな…って思うくらいジッとしている事が多いし、見てる範囲、マー君に危害は加えてい無いようだ。
でも、俺の理解者が存在を確認しに行くと、抵抗する。
俺の理解者みたいな、“雅紀”のナニカなんだと思っている。
O「一緒にハワイにこれてよかった!」
智さんが力強くマー君を抱きした、瞬間いきなり、黒い塊が消えた。
と、同時に「おぉちゃん!!」と叫ぶマーくん。
押し殺していた感情が爆発したかのように、強く強く智さんを抱きしめているマー君。
その顔は今日一番と言っていいほどの良い顔だった。
昨日の沈みそうになった時のマー君の青い顔を思い出て今の顔を重ねる。
(…良かったねマー君…)
なぜか、俺の心が軽くなる。
視線を感じて、その方を向くと、潤くんと目があう。
(潤くん…)
潤くんの口が『よかったね』と動いた。
(ありがとう…)
声に出さないけど、口を動かした。