第17章 相葉氏の部屋に集合。
櫻井視点
キッチンに入ると、湯気が上がっている鍋があった。
(潤の気まぐれスープが出来てる…)
A「飲もう♪」
雅紀の大きな声が聞こえて、振り向くとニィーっと笑って走ってきた。
「おお!飲もう!!」
A「うん!!」
テンションの高い雅紀が、布のかかったワゴンをめくる。
ワゴンの上には原色のポップコーンの盛り合わせが乗っていた。
(ん?こんなの頼んだかな?)
A「すごいね。ちゃんと冷えた状態をキープしてる」
ワゴンの下の段にあった氷入りのバケツから、濡れたままのビールを頬に当てている雅紀。
「せっかく冷えてるのに、暖めてどうするのよ」
俺の指摘に小さく舌を出して氷バケツに戻す雅紀。
(あ…〝Colorful Candy Popcorn〟なのね…)
一つ摘まむ。
(甘っ…チョイスミスかな…)
下にあるビールを冷蔵庫に入れる雅紀がニヤッと笑う。
A「つまみ食いは、いけないんだよ♪」
雅紀が悪戯をする前のような顔で近づいてきた。
「味見だよ!」
(俺がオーダー入れたんだし…)
A「じゃ、俺も♡」
雅紀も一つ摘まんで口にいれる。
N「席はどうします?」
M「ここがリーダーで。そこがニノ。あとはどこでも良いよ」
ニノと潤が席を話し合っている声が聞こえてきた。
(長居は危険だな。雅紀にも口止めを!)
「潤が怒るから内緒な♪」
人差し指を唇に当てる『シッ』と口を動かした。
A「もちろん♪」
雅紀がニカッと笑う。
A「これ、さっき注文した分?」
雅紀はビールが乗ったワゴンを動かし始める。
「そうだと思うよ」
キッチンの入り口で俺たちを見ていた智くんの肩を掴んで、テーブルの方に誘導する。
(さ!食べて!飲みましょう!!)
A「なに?その、適当発言」
口角を大きく上げながら笑う雅紀。
「うーんだって、銘柄 指定してないもん」
雅紀の真似して舌を出した。
(実は〝Can I have Recommendation local beer〟
訳 おすすめの地ビールください
って言っちゃたから、何が来るか分からないんだ……)