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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第16章 キミがいるから…僕も…


大野視点

翔ちゃんの携帯から新しく専属になった子だと思う「はい!」が聞こえてきた。

S「あ!洗濯取りに来て!」

 翔ちゃんが用事を言うっと「はい!」とさっきより大きい声で返事した。


 翔くんはビクッと体を揺らし、携帯を耳から離す。

 画面を見て、はぁと息を吐いた。


(それは、それで問題だね…)

俺も小さく息を吐く。


S「吉桜くんが来るって。」
 翔くんが俺が見ている事に気が付いたのか、携帯を指さしながら笑った。

S「洗濯ネット持ってる?」
 翔くんが動き出した。

「ないよ? 翔くんは持ってるの?」

S「うん。旅の必需品でしょ?」

「必要かな?」
翔くんと話しをしながら、部屋から出る。

S「必要だよ!今日着た分を入れて、バスルームに置いていたら、着たのとじゃないのが分かるでしょ?
  連泊だし、ハワイだし、いっぱい着替えるつもりで、数枚持ってきてるんだ」
 指を折りながら説明してくれる翔くん。


(だから、鞄があんなに大きいんだ…他にも色々持ってきてるんだろうな…)


S「じゃ…取ってくる…から…先に行ってて」
 翔くんが俺を置いて、一人で廊下を歩き出した。


「待ってよ。一人で行きたくない。一緒に行こうよ」
翔くんの背中を追っかける。


 翔くんが困った顔で振り向く。

「洗濯物頼むんだし…ね?(なんなら)
 翔くんのネットに入るなら、一緒のに入れてもいいし!」


S「それじゃ、どっちのか分かんなくなるよ?」

「バカだな!それくらい分かるよ!」

S「ほんと?こないだも俺の服を自分のだと思って持って帰ったよね?」

「あれは同じようなのが俺も持っていただけだよ!」

S「はいはい。確かに似た様なの持ってますね」


 翔くんはそれ以上ツッコまない。


(ある程度 話を盛り上げて、ある程度で話を終わらせてくれる。
 そのサジ加減が絶妙でいい感じ…

 やっぱり翔くんはおいらの〝かぁちゃん〟なんだよ)

「ふふぅ♬翔ちゃんの『母ちゃん道』進んだね♬」


S「かぁちゃんどう?何それ?」
 急に笑った俺を見て目を大きくする翔くん。

「嵐のお母さんを極めるみたいな事かな?」

その表情も俺に取っては“ツボ”なわけで、見ていたら大爆笑になりそうだから追い抜いた。
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