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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第15章 三人で…


相葉視点

「ねー、カズ…潤ちゃんがさぁ…」

 いつもなら、直ぐ返事が来るのに、カズの返事がない。

 ベッドに近づくと、カズは仰向けになって天井を見ていた。

(天井になにか書いてる?)

すぐそばで、しゃがんで、同じ天井を見上げるけど、カズの反応がない。

(天井……じゃないみたい……)

{………}
≪……≫

焦点の定まっていないカズ。

(どうしたのさぁ…ねー)

「ニノちゃん♡」
カズの顔を覗き込むように顔を近づけた。


 目が合った瞬間「なっ!」っと聞いた事のない声を上げるカズ。


「あ、ごめん?」

(本当に聞こえてなかったんだ…驚かしてゴメン…)



N「ああ。こっちこそ…ボーっとしてた…

  なによ…


  私にも手伝えと?」

 何かをごまかす様な口ぶりのカズ。



「ううん」
首をふって答える。


「潤ちゃんが『ニノの傍にいて♡』っていうから来た」
潤ちゃんの話し方をマネてみた。

(似てたかな?)


N「はぁぁぁ!」
 カズが目を見開いて声をあげる。

N「もしかして、今のJのつもり?」

カズの人差し指が、俺を指差すから、小さく頭を動かす。

N「似てねぇ…」
 ハーッと大袈裟にため息をつく。

(そんなに…似てなかった?)

N「それに、最後“♡”なによ?
  Jがお前にそんなもん、つけるか!」
 ちょっと、イラッとした声のカズ。


(そんなに怒らないでよ…

 潤ちゃんに言われた言葉だよ?

 似せたら喜ぶかな?って思っただけだよ…)


ホンノ少し距離を取って座る。


(なんだろう…変な気分…)



本郷「失礼します」
 扉の方から日翅(ひわ)ちゃんの声が聞こえる。

「あ!日翅ちゃんだ!」

(この変な気持ち何か聞こう!)


扉に行くと、潤ちゃんがワゴンの中身を確認している所だった。


「日翅ちゃんは?」


M「コレ持ってきてくれたら、帰ったよ」


「そう…」

M「なんで、ココに来たの?」


(潤ちゃんに『この変な気持ちを聞きたかった…』なんて言えません!)

「翔ちゃんが頼んだジャンクってなに?あーポテチがある♪」

(なにかで!ごまかしマース!)

背中に汗をかきながら、テンション高めにチップスを一枚つまんで、口にする。
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