第14章 素にもどっていくよ
二宮視点
A「えー、せっかくハワイきてビールなの?」
M「こらこら、ビールのCMしてるのに!何いってるのよ」
ミニキッチンから突っ込みを入れる潤くん。
A「そうだけどサー、なって言うかサー?」
潤くんのツッコミに一応反応するマー君。
A「ハワイの雰囲気をサー…」
横に座っている翔さんの背中にピッタリくっ付いて離れない。
(なに…その距離感…)
「サーサーうるさいよ!
深酒ダメって言われたでしょ…体調や声を心配されてるのよ。
わかってる?
俺達 30越えのおじさんだからね?」
なぜかイライラして、声を荒げる。
A「じゃビールでいいよ…」
マー君のシュンとした声が聞こえた。
その声でハッとする。
(あー…また…やっちゃった…)
自分の顔がものすごく見せたくない顔になっていると思って布団の中に潜り込んだ。
布団の隙間から二人の姿を確認する。
(俺の行動も変だけど…あんた等の距離感も変だよ)
A「またよろしくね♪」
マー君が嬉しそうな声で俺に話しかけてきた。
(ん?なに?その笑顔…)
顔を上げると笑顔でメニューを俺に向けるマー君がいた。
(浜地呼ぶの?)
「えー、またー」
スマホを取り出す。
M「何してるの?」
キッチンから潤くんが出てきた。
それを見たマー君はススッと翔さんの傍に行って座った。
(なんだよ。なに頼むか聞いてないぞ!
ま、いいか…電話でたら、その時聞けば…)
「マネに電話するの…」
M「なんで?」
(潤くん…あなたの『なんで?』は長くなるんですよ)
潤くんとの会話をしながら、スマホのコール音を聞いている。
(イライラするな。なんで、いつもはすぐに出るのに…)
浜地が電話に出ない。
M「なんだー かっこよく頼んでいたんじゃ、ないんだぁ」
ベッドの上にあるメニューをのぞきこむ潤くんをみてコール切る。
「じゃ、潤くん電話してね~」
メニューを潤くんに押し付けて、布団の潜り込む。
潤くんはメニューを持ってマー君の方に行く。
そこでも、素の潤くんが話をしている。
あたふたするマー君…
S「もう、そのくらいにしてあげて?俺が電話すればいいでしょ?」
マー君の頭をポンと触ると、備え付けの電話の方に行く翔さん。