第13章 抱えた気持ち
松本視点
N「原因は分かりません。いきなり、ドカンって感じでした」
両手をあげ、手をヒラヒラさせるニノ。
(リーダーの感情が表に?それもニノが『ドカン』って表現…)
「詳しく教えてよ」
N「詳しくは、長くなるので、箇条で伝えるね。
まず、潤くんが先に行ってしまって、大野さん拗ねてました」
「え!拗ねちゃったの?」
N「はい。頬を膨らましてました」
「えぇ(超レアものじゃん)ちょっと見たかった!!」
N「でぇやっとぉ…落ち着いたかなと思ったら…
翔さんが飛行機内から別行動って聞いて『行かない!』って……」
ニノの言葉が詰まる。
「え!」
(今なんて言った!!)
ニノが急に言葉を詰まらせた事も気になった。
それよりも『行かない』って聞こえた事に驚いた。
「ニ、ニノ?『行かない』って!ハワイに行くのを辞めるって?」
身を乗り出しているニノに確認する。
N「辞めるというか…
“別行動なら別のでいく”って駄々こねてねぇ…」
ニノの声がだんだん小さくなる。
(思っていた以上に、大トラブルじゃないかよ!!)
「‘別の’って新幹線じゃあるまいし…」
ニノにもっと詳しい話を聞こう思って、持っていた次の料理の取り分け皿をシンク横においていると「でしょ!」ニノがベッドから大きな声を上げる。
N「俺もその時言ったよ!!
『飛行機は新幹線の様にいきなり乗れませんよ!』って!!
それでも、
リーダーがさ!『今日は家に帰る』とかさ!
相葉さんには『触るな』とかさ…
いきなり、車から飛び出すし…
チーフが追っかけて行っても、車に帰ってこないしさ…
俺じゃ…なんにもできないから、ただ…待ってるだけでさ…」
ニノが珍しく早口で自分の感情を出しかたと思っていたら、ドンドン声のトーンが沈んでいく。
(ニノがこんなに感情的に話をしているのは珍しい。
そうとうだったんだな…)
濡れた手を拭いて、キチンと顔を合わせて話をするつもりでキッチンを出た。