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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第12章 見かたが違うと…


二宮視点

楽な格好になってバスルームから出る。

出て直ぐ、ニコニコ笑っているマー君が待っていた。


(はーキラキラな笑顔ですね

 ホント「なに、食べる?」って顔してますよ…)

心の中をかき乱され、心身ともに疲れた。


A「かわいい♪」
 マー君の口から天然言葉がこぼれてきた。


「はー!!」
(これ以上心を乱すな!)


A「いや!ロンTがかわいいって事!!」
 マー君があわてて、訂正する


(もういい)
言葉にすると、怒号になりそうだから、口をつぐんで、冷蔵庫に向かう。

(水でも飲もう…)

A「ね、ね。それより、料理何にする?」
 メニューをパラパラ開いて、料理を選ぼうとするマー君。


「浜地にもう、頼みました。そして、もう来たそうです。
 あなたの部屋行きますよ」
水を飲みながらマー君をチラ見する。


A「え!いつのまに?」
 マー君が目を大きく開いて驚いている。

「下手な英語の練習中に(笑)」
ニヤッと笑って一人で部屋を出ていく。


A「えぇぇ聞いてたの?恥ずかしい!!」
 部屋の中で叫ぶマー君。


(はずかしいだろ!!お返しだよ!!)
廊下に出て、扉を開いた状態でくくっと笑った。

「早く来なさい!」

A「あ、はい!」
 バタバタとマー君が走って出てきた。


(手!出せよ。行くぞ!)

「ん」
手を突き出す。


A「うん」
 俺の手を嬉しそうに握るマー君。


つながった手から感じる温かさで、気分が晴れた。

なぜ、晴れたのかは、わからない。

でも。晴れた。

(嵐で一番背の高い男を、嵐の背の低めな俺に引かれているってすごく絵面だなぁ)
状況を想像して、口元が緩む。


(男と手を繋いで笑っている俺ってどうなんだよ…)
自分に突っ込みを入れる。

(でも、俺はこの手を離したくない。

 いつまでも、こうやって、手を繋ぐ事ができる関係でいたい。

 置いて行かれたくないし…

 置いていきたくない)
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