第12章 見かたが違うと…
相葉視点
「Room service, please」
(よし!こんな感じかな?後は、何を食べたいか、カズと決めて…)
カチャ
バスルームの方からドアが開く音がした。
(あ!出た!)
バスルームにカズを迎えに行く。
(なに?食べる?
結構練習したから…大丈夫たと思うよ!!)
バスルームから出てきたカズは、物凄く楽な服装スパッツ?にロングTシャツ…かわいらしい格好をしていた。
「かわいい♪」
素直な気持ちが言葉になった。
N「はー!!」
カズが‘ニノのものすごい怖い顔’して睨んだ。
(あ!! 心の声とリアルの声が…)
「いや!ロンTがかわいいって事!!」
あわてて、訂正すると、カズが‘ふん’っと口を尖がらして、ソッポを向く。
(ああ。機嫌損ねた!!
“かわいい”は禁句だったのに!!俺のバカ!!!!)
「ね、ね。それより、料理何にする?」
(機嫌直さないと、後で、潤ちゃんと翔ちゃんに怒られる!!)
メニューをパラパラ開いて、ニノの好みそうな料理を選ぼうとする。
N「浜地にもう、頼みました。そして、もう来たそうです。
あなたの部屋行きますよ」
部屋の冷蔵庫から水を取り出して飲みながら言うカズ。
「え!いつのまに?」
N「下手な英語の練習中に(笑)」
カズがニヤッと笑って一人で部屋を出ていった。
「えぇぇ聞いてたの?恥ずかしい!!」
その場にしゃがんで叫ぶ俺。
(ホントに恥ずかしい…見られてないと思ってたのに…
穴に入りたい!!隠れたぁいぃ)
N「早く来なさい!」
扉の所で俺を呼ぶカズの声が聞こえた。
「あ、はい!」
(すぐ行くから怒らないで!!)
急いで部屋から出る。
廊下に出ると、ふて腐れているけど、ちゃんとカズ待っててくれた。
(へへ。待っててくれた)
N「ん」
カズが右手を突き出してきた。
「うん」
その手を握る。
カズが俺の手をを引かれて歩きだした。
(廊下を男二人で手を繋いでいるこの状態は異常かもしれない。
でも、俺にとってはね
この 小さくて丸い温かい手…
どんな不安な時も、この手に引かれると落ち着く
魔法の手なんだよ
この事は絶対言葉にしないけど、本当の事なんだ)
前を歩くカズの背中を見ながら考えていた。