• テキストサイズ

お日様が照れば雨も降る。

第8章 麗しのハンナ/ハイキュー、天童覚


「そりゃ大変だ。大丈夫か、天童」

半笑いになってるねェ、獅音。楽しそうじゃない?ムカつくなー。

「私はこれから工房だから、あなたたちが天童くんを送ってくれたら助かる」

「コーボー?」

反射的に聞き返したら、桜庭さんは口元に笑い皺を刻んで俺からバックを引き寄せた。

「工房。私の勉強の時間。じゃあお大事にね」

若利くんと獅音に軽く頭を下げて俺にもう一度、掠れた笑顔を向けて、桜庭さんはさらっと行ってしまった。何の引っ掛かりもなくあっさり。

あらら、ドライだねぇ。いいじゃんいいじゃん。何かモエる。うん?…萌える?それとも燃える?どっちでもいっか。
どっちでもいんだ。好きだから。

「わはーッ」

ペロッと内心滲んだ本音に思わず声が出る。

「おぉ!?何だよ天童、ビックリさせるな!」

ビクッと反応した獅音が可笑しくって笑っちゃったけど、笑い事じゃないかな、コレ。

「ねえ、若利くん」

じっと獅音と俺を見ていた若利くんが、黒目だけ動かして俺をロックオンする。何だ?て事ネ。

「桜庭さんて何しにドイツに行くの?」

「聞いてどうするんだ」

お、切り返しが早い。何もう、警戒しないでよ。俺はたださ…

「うん、桜庭さんが好きなんだよネ」

なのヨ。

「だから気になるワケ。教えてくんない?何でドイツに行くの、あの人」
















/ 105ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp