第14章 蛇足 /弱虫ペダル 御堂筋翔
あ、そういえば私、あなたの試合?えーと、インターハイ、見たよ。見させて頂きました!
…えぇ?何してんの?誰が見に来い言うた?君もしかしてストーカー気質持ちィ?はあァ、キモ。…最低や。来んなや。インターハイなんか…。
公式なインターハイを見てもストーカーにならないでしょう?インターハイ、良かったよ?
君ィ個人的な練習にも付き纏っとるやろ。
いや、活動のフィールドが被ってるだけですよ、それは。
ああ、山堀り活動な。傍目にアホにしか見えんけどアレが君のフィールドワークっちゅうヤツなんやもんなァ。
クルクル足を回して頑張るのがフィールドワークのあなたと一緒ですよー。ねえ、お互い素敵なことです。
…言い方ァ。クルクル足を回すて、君ボクを馬鹿にしとんのか。
馬鹿になんかしてないよぅ。もうインターハイの御堂筋くんはすっごく性格が悪くてすっごく気持ち悪くて、私卒倒するかと思った!
…ちょっと。ちょっと待ちや。いや、ええよ。別にええよ。別に君にそんなん言われたって慣れたモンや。残念やったなァ。何なら卒倒してまえば良かったンにな。お互いみっともなくておあいこやァ。
みっともないことあるか。卒倒どころじゃない。感動で息が止まったよ。いやー、興奮した!マジベロを間近で見られました。
ああ…。マジベロォ…。ベロな。そこォ?
真剣な御堂筋くんが大変にサムイボイノシシでした。
さ…サムイボイノ…イノシシィ?
ふふ。
何そのキモい顔ォ。もしかしてソレ君のどや顔ォ?折角どォでもえェ程度ですんどる普通の顔が変な顔になるから止めときィ。
いやいや、立つでしょ?興奮したり気持ち悪かったりすると?寒くても立つ。
何やサムインボのことかいな。
サムインボは可愛くない。イボイノシシは可愛い。
知らんがな。
フィーリング仲間ならわかってくれると思ったのにな。
何につけてもボクは君の仲間やないわ。
バチったくせに。
あのバチと仲間は関係あらへん。
じゃあ何に関係ある?
それも宿題や。自分で考えェ。
教育熱心だな。宿題ばっかり。
なァ。ボクも自分の意外な一面に驚いてるわァ。
でもですね。
何ィ。
インターハイの御堂筋くんを知ったら、私はまだしもまともに扱われてたなと思った。何なら優しい。恐ろしいことに。
ほー。アホが勝手に自惚れとるなァ。
