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お日様が照れば雨も降る。

第11章 一双/呪術廻戦、漏瑚



結局焼かれるなら儂が跡形もなく焼いてやれば良かったと思わないでもないが、みっともなく焼け残った骨を、それが収まった墓を、何故か儂は何度となく訪れてしまう。雪に埋もれた墓を、桜の下に佇む墓を、乾いて熱くなった墓を、木枯らしに吹かれる墓を、訪れては独り言してしまう。

百年後、貴様らの代わりにこの地に立つのが儂らだとして、儂らは貴様らのようにみっともなく対を求めたりすると思うか?

裏表ない世界で儂はお前を笑っていると思うか?それともお前が儂を笑っておるだろうか。儂を祝すか?それとも儂がお前を祝すか。

それこそ笑える。二度死ね、戯け。
貴様らのいうところの呪いとはこういうことか。成程ならば表裏一体の理も飲み込める。

生まれ変わったあの女はあの女ではなく、儂もまたこの儂ではない。もしまた再び経巡り会うことがあれば、互いに理の天秤のどちらに乗っていることか。考えるだにぞっとしないが、逆の天秤に乗り合って互いを笑っているかも知れん。

墓の周りには犬陰囊と屁屎葛。
瑠璃唐草と早乙女花。
腐してやるつもりが随分分不相応な比喩になってしまった。これもまた表裏一体、一双というやつか。

やっぱり焼いておくのだったな。糞っ垂れ。



















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