第21章 休日 【ピンチ!】
私はスマホの時計を見た
「10分後か・・・」
その時にまたメールが届く
≪今日は最後まで
一緒に過ごせんでごめん≫
私の胸のときめきが速くなり
彼への思いが溢れだしてくる
スマホを握りしめながら
私は微笑んで時間を待っていた
彼に言われた時間が経ってから
車から荷物を下ろしたが
「これは
もう一回来ないとダメだなぁ・・・」
彼の方の後ろにも置かれている
荷物を見て一人で呟き
持てるだけの荷物を両手にさげて
家に向かったのだ
玄関の鍵を開けて
家の中に強引に何とか入ると
そして靴を脱いだ時に
異変に気が付いたのだ
「あれ、これって?」
玄関の棚に見慣れないスマホが目に入った
私はそのスマホを見て考えていた
彼のスマホでは絶対にない
だったら誰のか・・・・
私の頭の中である事を理解した
私は急いで鍵を閉める
靴を開いている紙袋に突っ込んだ
そう私がいる形跡を消そうとしたのだ
そして慌てるように
リビングに駆け込んだ
その瞬間だった
玄関の鍵が差し込まれる音が聞こえた
やっぱりスマホを探しに戻って来たのだ
彼はわざと大きな音をさせながら
扉が開けた
それは、もし家に帰って来ていた
私に教える為だろと
私は察した
リビングで息を殺している
私の耳に彼の声が聞こえてきた
横山「お前は、どこに置いたんや?」
渋谷「わからん」
横山「やからぁ!
お前はそこに居れって
俺が家の中を見てくるから」
渋谷「あほぉ
何でやねん
俺のやから自分で探すわ」
私は冷や汗を出しながら聞いていた
私たちのルールには
彼の仲間に絶対に見つからないという
決まりがあったからだ
私の方は
リビングに来ない事を必死で祈っていた
横山「やから、そこに居れって!
動くなって!」
渋谷「なんでや!」
横山「俺が探してくるって言ってるやろ!」
彼は私が中に居るのを知ってか
入れまいと必死なようだった