第18章 休日 【片思い】
すると彼は笑いながら
横山「なーんてな
いつお誘いの電話があるか
分からんしな・・・」
そう告げると天井の方に顔を向けた
私は彼に顔を隠すように俯きながら
自分の熱くなっている胸の中を
必死に抑えていたのだ
彼の悪戯の言葉にすら
一喜一憂してしまう自分・・・・
今日一日を
一緒に過ごしたいと願っている自分・・・・
私は自分の気持ちを隠して
微笑みながら言った
「もし良かったら
お茶でも入れましょうか?」
その言葉に彼は微笑みながら
答えてくれた
横山「おん、頼むわ・・・
飲みたいって思ってたんや」
そう言いながら彼の目は眠そうだった
「そうなんですか
直ぐに入れてきますね」
私はキッチンに戻り
彼にロイヤルミルクティーを入れた
ゆっくり過ごしている二人の時間を
少しくすぐったく感じながら
彼の前に入れて持って行くと
彼は可愛い寝息を立て
気持ち良さそうに眠っていた
「・・・・・・・・」
私はロイヤルミルクティーを
テーブルにそっと置き
彼の寝顔を見て
自然に微笑んでいた
「本当に綺麗な寝顔だなぁ・・・・」
私は愛しさから
彼の頬に指を伸ばし掛けて
躊躇するように止めた
彼を起こす事は出来ないし
私が触れる事など許されるはずもないから
静かに自分の部屋の毛布を持って来て
彼が風邪を引ないように
起こさないように気を付けながら
掛けたのだ
「さて、どうするかなぁ・・・・
起こさないように
静かにしとかないとなぁ・・・」
私は呟くと
彼の前に置いたお茶を見た
まだ冷めてないお茶を手に取って
一口飲むと
「うまっ」
彼の口真似をしてみて
一人笑っていたのだ
私の前で気持ち良く
寝ている顔を見つめていると
胸が締め付けられるように痛んでいく
この痛みを私は知っている
そう誰でも経験した事がある
片思いの気持ちだ・・・・
悲しい片思いの気持ち・・・・
私は彼の寝顔を見つめ続けていた
決して結ばれる事のない恋に
愛おしい人の寝顔を見つめながら
思いを馳せていたのだ