第15章 不安
私は彼を見つめがら微笑んだ
「ロイヤルミルクティーです・・・」
私の言葉を聞いて彼は笑った
横山「洒落たヤツやな・・・」
いつもの彼の微笑みを見て
少し安心している自分を感じている
自分がいた
「疲れているようなので・・・・
甘めにしときました・・・」
私は入れたティーを見ながら言うと
彼は更に嬉しそうに
横山「ありがとうな・・・」
その言葉と同時に飲み始めたのだ
その姿を私は見守っていた
私は彼の疲れを取りたかった
いつもの元気な彼になって欲しかった
いつも迷惑をかけている分だけ
少しでも力になりたいと
強く思っていたのだ
そんな私の気持ちが届いたのか
横山「これ、めっさ上手いな」
彼の反応の良さに
私の心が弾むようだった
「気に入ってくれましたか?」
私は嬉しくなっていた
横山「おん、気に入った」
彼の嬉しそうな顔を見て
心の何処かでホッとしている自分がいた
彼は嬉しそうに
お茶を飲んでいた
その表情を見て
私はもう一度伝える事にした
ちゃんと謝りたかったから
「今日、メールの返信をせずに
本当にすみませんでした・・・
あんなに心配してくれていたのに・・・」
私はそう言いながら
何度も彼に頭を下げた
そんな私の頭の上から
小さい笑い声がした
横山「やから、もうええんやで
あれは俺が勝手に心配しただけやから」
そう言いながら
ティーを口にしていた
「・・・・・でも」
それでも納得のいかない私は
口ごもりながら彼を見ていた
いつもの彼なら
ここで優しい言葉を
言ってくれていたのに
今日の彼は立ち上がり
横山「悪いけど
今夜はもう先に休むな・・・」
そう言うと
リビングから出て行ってしまったのだ
リビングに残された私は
彼の態度がいつもと違う事に動揺していた
彼が冷たい?
私は目の前にある
彼が飲んだティーのカップを見つめながら
何が起きているのだろうと
不安で仕方なかったのだ