第15章 不安
しかし私に優しく話しかけて来た
横山「寝てなかったんか?」
彼に聞かれて私は覚悟を決めると
「あ、あのぁ・・・・」
私は急いで立ち上ると
彼はびっくりしたように
横山「な、なんや?」
「今日は、本当にすいませんでした」
私は勢いよく頭を下げて謝った
彼にしたら何が起こっているのか
分からずに動揺しながら
横山「な、何の事や?」
そう言うと私を見つめ続けた
私は申し訳なさそうに言った
「今日は心配をお掛けしていて・・・」
その言葉を聞いて
彼はあっさりと言った
横山「あぁ、ええねんで
ホンマにさ」
そう言うとため息をつきながら
疲れたようにソファーに腰を下ろした
その時に彼の様子が
いつもと違う事に私は気が付いた
「どうしたんですか?」
心配そうに聞く私に
彼は気遣うように微笑みながら言った
横山「何もない
ちょっと疲れてるだけや・・・」
その言葉の後にため息をついた
私はもう何も聞けずに
キッチンに向かいながら
「なら、ビールより違うのがいいですよね」
そう伝えると
彼からの返事はなかったのだ
その事に胸が
少しチクッと痛むのを感じながら
彼にある飲み物を入れていた
出来上がったモノを彼の前に持って来た
「よかったら、どうぞ・・・」
彼は置かれているモノを
黙ってその飲み物を見つめていた