第15章 不安
私は彼の帰りを待つために
リビングで過ごしていた
先に寝ていろと連絡をもらったが
今日の仕出かした事を
顔を見てちゃんと謝りたく
その気持ちで起きて待っていたのだった
時計の針が次の日になった
私はテーブルに顔を乗せたまま
怠そうにして彼を待ち続けていた
私のため息の回数が
時計の針が動くたびに増えていく
アイドルと一緒の屋根の下で暮らし
何故か色々な面倒をみてもらい
さらに慰めてもらって
なんと贅沢な生活をしていたかと
私は振り返っていたのだ
優しい彼に
甘えすぎていた事に反省していた
「・・・・はぁ、嫌われたよなぁ・・・」
冷たいテーブルの感触を感じるように
私は顔を乗せたままで
部屋を見つめていた
嫌われたら
ここを出て行くべきだよなぁ・・・
早く職を探さないと
いつ追い出されるか分かんないよな・・・
私はため息のまま
色んな考えを頭に巡らせていた
そんな私の耳に
ドアに鍵が差し込まれて
静かに玄関の扉が開く音が
聞こえたのだ
私の顔がテーブルから上がり
姿勢を正すと
彼が部屋に入って来るのを待った
彼は入って来ると
リビングに明かりが付いている事に
驚いた顔をしていたが
部屋に入って
私がいる事に更に驚いた様子を見せた