第14章 空
すると彼は何故か答えなった
その間が私には
余計に不安を掻き立てた
しばらくの間があった後に
彼がボッソと言ったのだ
横山『元気なんやったらええねん・・・』
『えっ?』
彼の言葉に私は驚いてしまった
すると彼は電話の向こうから
低い声で話したのだ
横山『返信がなかったらから
まだ、辛いんかと思って・・・・』
その言葉に更に驚いてしまった
私の中に彼の気持ちが
凄い勢いで入ってくる
焦りながら彼に
必死で言い訳をしていたのだ
『す、すいません
その職安行ってて
今、帰って来た所で・・・
返事が出来なくって・・・』
私の必死の謝りに彼は
声のトーンが明るくなる事はなかった
低いままで答えて来たのだ
横山『ええんやで、元気ならさ
それならええからさ
ほんなら、仕事に戻るからな・・・』
そう言うと私の言葉を待たずに
電話を切った
私は切られた電話を握りしめながら
自分のしてしまった事に
どうしようかと不安になってしまった
彼は私の身をこんなにも
心配してくれていた事を
嬉しく感じる心と
どうして
あの時に返信をしなかったのだろと
後悔していたのだ
薬とか用意してくれるぐらい
優しいって人だと知っていて
なぜ、そこまで気持ちを
読むことが出来なかったのだろ
このままでは
本当に嫌われてしまう・・・・
彼の心配をかけるだけで
人の気持ちすら理解できない
自分自身が大嫌いになっていた
「なんで、私はこうなんだろ・・・」
窓から見える空を見て
馬鹿な私の心は
複雑な気持ちが
入り混じり
哀しみの色に染められて行ったのだ