第14章 空
どこまでも綺麗に広がっている青い空
そして自由に気持ちよく浮かんでいる雲
いつの頃から
この広い空を感じなくなっていたのだろう
自分に余裕がなくあくせく生きていて
空の広さや綺麗さすら
感じる事が出来なくなっていた
私は毎日の生活に追われて
とても大事なモノを忘れて
暮らしていたのかもしれない
だからこそ
人生は歯車が壊れたのかも
だから
あの人に選ばれなかったのではないか
綺麗な空を見て
今までの自分を反省していた
でも後悔はしなかった
そう彼の言ったように先に進むために
私は、また一人で笑いっていた
彼を思って
「本当に、不思議なアイドルだなぁ・・・」
私はそう呟くと
心を温かくして歩いていた
しかし
私は大事な事をするのを忘れていたのだ
彼が神経質だという事を
忘れていたから
二人に事件が起きる事を知らなった
男と女は些細な事で
ケンカになる事を忘れていたのだった
私が気分よく家に着いた時だった
またスマホ着信が入った
見ると彼からの電話で私は慌てて出た
横山『もしもし・・・・』
なぜか重い感じの
彼の声が聞こえて来た
その事に何があったかと胸騒ぎがした
『はい、もしもし・・・
どうしたんですか?』
いつもの空気と違う事を察して
心配するように
出来るだけ優しい声で聞いたのだ