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ロイヤル ミルク ストーリー

第13章 優しさ









私は掌の薬を見ながら

彼に自分の気持ちを伝える事にした




「私、昨日のおかげで

前を向けそうですよ」




照れ臭かったが

私は感謝の気持ちを込めて微笑んだ


彼の方もその言葉を聞くと

照れ臭そうに微笑みかえしてくれ



横山「ホンマか」



嬉しそうに言う


私は更に微笑みながら頷くと

薬と水を飲んだ

彼の優しさを受け取って





彼は私が薬を飲んだ事を確認すると

ゆっくりと立ちあがり




横山「ほんなら

俺は仕事に行かなアカンからさ」





私の頭を優しく撫でたのだ

私の心臓の動きが速くなり

頬に熱を感じた




横山「二日酔い治るまで

ちゃんと休んどけよ」




彼の行動と言葉に

私の胸はドンドン熱くなっていく




「は、はい・・・・」



恥ずかしさで

顔を上げられずにいる私に彼は




横山「どなんしたんや?」



不思議そうに聞いてきた



正直にときめいていますと

アイドルに向かって言えるはずもなく

私は首を振って答えた




そんな私を不思議そうに見ながら

優しい声で言ってくれたのだ




横山「そしたら

俺は準備して行くからな」




私は去って行く

彼の背中に向かって声を掛けた




「はい、朝からご迷惑かけて

すみませんでした」




その言葉を聞くと

彼の足が止まったのだ





そんな彼に何故か期待している

自分がいる事を感じていた



リビングの取っ手を握りながら

彼は振り向くことなく言った




横山「ええんやで

俺が好きにやってる事やから」





それを告げると

リビングから出て行ったのだ






私は今の言葉で激しく動揺していた

更に熱くなって胸を

どうしたらいいのかと

自分の気持ちを整理できずにいた




昨日は前の彼に悲しんでいたのに

今日は彼にときめいている



もしかして・・・・・

でも、そんな勝手な事が

許されるわけはない




だけど・・・・

彼の気持ちを知りたいと

思い始めている自分と

もしかして

自分に気があるのではと

淡い期待が

胸に生まれ始めていたのだった









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