第12章 反省と後悔
私は、どのぐらい泣き続けただろうか
彼に抱きしめられて
好きなだけ泣いて
私はスッキリするように
小さなため息をついた
目を真っ赤にしている私に彼は
優しく声を掛けてくれた
横山「泣いたらスッキリしたか?」
私は照れ臭かったが素直に頷くと
彼は何を思ったのか私の側から離れ
キッチンに向かって行った
そんな彼を私は黙って見つめていた
彼の優しさが
今の私の心の支えだった
その支えに私は甘えながら
ある感情が生まれている事すら
まだ知らずにいたのだった
彼はビールを二缶とグラスを
私の前に持って来ると
横山「今夜は、二人で飲み明かそうや」
そう言いながら微笑んだのだ
「えっ?」
横山「思いっきり飲んで
今夜は忘れるで!」
そう言いながら
自分の前に置かれたビールを開け
私の前に置いたグラスに注いでくれた
「あ、ありがとうございます」
私は、焦りながらも
彼の気持ちを受け取っていた
そんな私を見て嬉しそうに
横山「今夜は、とことん付き合うから
酒の力を借りて全部を吐き出せ」
そう言いながら自分のグラスにも
ビールを注ぎ飲みだした
私も彼に続いてビールを口にした
口にしたビールは少し苦く
今の私の状況と同じだと感じて
苦笑いしている私を彼は見ると
横山「どないしたん?」
心配そうに訊ねて来た
私は立ち上がりながら首を振って答え
「飲むなら
おつまみをもう少し用意しますね」
そう伝えると
キッチンに入った
私は彼に何よりも感謝していた
あの時に本当に死ななくって
良かったと思っていた
彼と出会えた事を神様に感謝していた
そして
彼がいたからこそ
胸の痛みも楽になっている事に