第9章 泥棒
私は熱くなる胸を必死で抑えた
「ほ、本当にすいません・・・・
心配をかけてしまって・・・」
私は頭を下げた
そんな私を彼は静かに見ていた
私は彼に自分の気持ちを言う事にした
「私、迷惑しか掛けてないので・・・」
私の言葉に彼は驚いた顔をした
「鍵も・・・・
さっきの事も・・・・」
彼は突然、笑いだしたのだ
私は驚きながら彼を見た
横山「鍵は、完全に俺が悪いんやって」
「でも・・・」
私は彼の言葉を止めた
「仕事の途中で
戻って来なきゃ
ならなくなってしまって」
彼はビールを口にしながら
優しい口調で言ってくれたのだ
横山「丁度、時間があったからやで
無かったら来んかったし・・・」
その言葉に私は素直に頷いた
私の様子に
彼は安心したように
横山「さっきも
家を守ろうとしたんやろ?
その結果やん?」
私は静かに頷いた
横山「なら、迷惑ちゃうやろ?
頑張った結果やからさ」
私は彼の言葉に
また胸が熱くなっていた
「頑張った・・・?」
私の言葉に
彼は頷きながら微笑むと
横山「ちゃんと頑張ってくれてるで・・・」
言いながら
私の頭を軽く撫でたのだ
私の胸の心臓が激しく動く
「あ、ありがとうございます」
私は自分の顔が赤くなるのを
見せたくなく俯いた
横山「元気になってくれたらええよ」
そう言うと彼は
おつまみを美味しそうに食べたのだ
そんな彼を私は
嬉しい気持ちで見ていた
何でこんなに胸が
熱くなるのだろうと思いながら
彼がアイドルだっていう事が
痛いほど分かったのだ
こんなに優しいのだから
素敵なのだから
だから彼はアイドルなんだと
私は胸を熱くしていたのだ