第9章 泥棒
落ちついて考えたら
こんな事にならなかったのに
開けっ放しにするぐらいに
冷静じゃなかったのだ
ちゃんと箒を直すと静かに閉めた
「私って・・・・
何で、こんなんだろ・・・」
閉めながら思っていた
ここに来てから
彼に迷惑しか掛けてなかったから
家主を泥棒と間違えるという
醜態をさらしてしまって
これでは
追い出されても仕方がない・・・・
私は重い気持ちのまま
リビングを帰って行くと
彼の方は
すっかり落ちついて
ソファーに座って
テレビを見ながら楽しんでいた
私は彼に声をかけた
「ビールでも持って来ましょうか?」
横山「おん、頼むわ・・・」
彼はテレビを見ながら返事をした
私はキッチンに向かい
冷蔵庫からビールを取り出し
棚からグラスを用意した
それを彼の前に持って行った
横山「おん、ありがとうな・・・」
目の前に置かれたビールを見ると
彼は言った
「いえ・・・・」
私は返事をして下がり
そして私はキッチンにまた向かうと
ビールのつまみを用意する為に
台所に立ったのだ
用意しながら私の気持ちは落ちていた
私は用意できた
おつまみを彼の前に持って行くと
横山「おっ?」
彼は嬉しそうな顔で見た
「用意させて頂きました
お口に合うか・・・」
私の言葉を聞くと彼は
おつまみを一口入れた
私は彼の様子を黙って見ていた
横山「おっ、美味っ!」
彼は驚いたように私を見た
「本当ですか?」
私は嬉しくなって微笑むと
彼は安心するように言った
横山「やっと笑ったな」
そう言うと優しく微笑んだ
「えっ?」
その言葉に驚いている私に
横山「なんか、元気なかったやろ?
帰って来てからさ・・・・」
そう言うとビールを口に入れた