第9章 泥棒
私は箒を振り上げたまま
彼を見つめていた
「・・・・・・・」
自分でもどうしていいのか
分からなくなっていたのだ
横山「俺や、落ちつけ・・・」
彼は少しずつ私に近づいてき
箒に優しく手を添えて
私から優しく奪ったのだ
「す、すいません・・・・」
私の手から箒が離れた事で
私の興奮は消えてった
横山「ちょ、どなんしたんや?」
彼は自分の手にある箒を
見つめながら私に聞いてきた
「実は、泥棒かと思って・・・・」
私は、恥ずかしそうに伝えた
そんな私の顔を見ると
横山「俺を泥棒かと思たん?」
彼は不思議そうに聞いた
私は考えていた事を伝えたのだ
「今日は遅いって言ってたから
まさか・・・・
もう帰って来たなんて・・・」
私の声はどんどん小さくなっていく
話すたびに申し訳なくなっていたから
すると彼が少し笑いながら
横山「そうか・・・・
ちょい早く終わったし
飲みにも誘われてないから
帰って来たんや
驚かして悪かったな・・・」
彼は私に軽く謝ると
手に持っている箒を見ながら
横山「しかし、勇ましいな・・・」
彼の言葉に顔が真っ赤になる
私は急いで彼の手から箒を奪い取ると
「本当に、すいません・・・
でも、家政婦としては
家を守るべきだと思って・・・」
そう彼に伝え
箒を直す為に急いで廊下に出た
廊下の奥にある
お掃除セットのクローゼットが
開きっぱなしになっているのを見て
ため息をついた