第9章 泥棒
彼のおかげで
私は無事に買い物に行く事ができ
ホッとしていた
彼が遅くなると言っていたので
自分の食事を済ませて
お風呂に入っていた
お風呂に入りながら考えていた
自殺しているのを見たからと言って
赤の他人を一緒に住まわせるなんて
優し過ぎる・・・・
困っている時の優しさは
凄い・・・
予想以上の優しさを見せてくれる
何で、そんなに優しいのだろう・・・
考えていると
のぼせそうになったので
私はお風呂から出た
私が脱衣所で髪を拭いていた時だった
部屋の中での物音が聞こえた
私は彼かと思ったが
彼が遅くなると言っていた事を
思い出したのだ
これは泥棒だ!
私は怖くなった
焦っていた
やはりお金持ちだから
泥棒も狙うのだろうと思った
どうしようと悩んだが
彼の為に家を守ると
覚悟を決めたのだ
私は気合を入れて
扉をそっと開けると
泥棒の様子を確認すると
リビングの方から人の気配がする
泥棒はそこにいるのだろ
私は音を立てないように
廊下の奥に置かれている
掃除セットにあった菷を取り出した
そしてしっかり箒を握ると
足音を立てないで
部屋に乗り込むことにした
廊下からの扉を開けて
リビングに入った時に
泥棒に箒を振りかぶって
目を瞑ったまま
思い切って相手に向かって行ったのだ
横山「ちょ、何や!どなんしたんや!」
その声に聞き覚えがあったので
そっと目を開けて見ると
私の目の前に驚いた顔をしている
彼が箒を避けようとしていたのだ
横山「おい!落ち着け、俺やって!」
彼は焦りながら
私に手を振ると言った