第8章 鍵
キッチンに入り
急いで言われた棚の
一番下の引き出しを引いた
『えっ?』
私は引き出しの中を見て驚くと
その声を聞いて
彼が返事をしてきた
横山『どないしたん?
そこに入ってないんか』
私は彼に言った
『鍵がたくさん入ってて
どれが、ここの鍵か・・・・』
私はおずおずと彼に伝えると
横山『へっ?』
『鍵だらけなんです・・・・』
電話の向こうで奇妙の間があった
私の方は鍵を
一個一個を手に持って確認してみた
やっぱり
見るだけでは分からない
焦っている私の耳に
彼の声が入ってきた
横山『鍵を失くしたらアカンから
鍵を全部
そこに入れとたんや・・・』
彼の言葉を聞いて私は驚いていた
『全部ですか?』
横山『今までの鍵も入たと思う』
『えっ?』
驚きながら鍵に目線を置いた
『今までの鍵もって
関係ないのにですか?』
横山『おん
あっちこっち置いたらアカンと思って
作ってたやつもな』
私は呆然として鍵を見ていた
『これじゃ、どれか分かりませんが・・・』
横山『だよなぁ・・・・』
彼は呆れたように言ってきた
私の方は
ため息を付きながら
鍵を見ながら
どうすべきか考えていると
横山『あっ、仕事がまた始まるわ
また後でかけるな』
それだけ彼は言うと
私の返事を待たずに電話を切った