第8章 鍵
彼が出掛けてから、しばらくして
私は言われていた
ビールと水を買いに行こうと思った
私はおもむろに
靴を履きかけた時に
ある事を思い出したのだ
「あれ、鍵は?」
私は辺りをキョロキョロと
見回したが鍵は見つらなかった
鍵を閉めずに行く事も出来ずに
仕方なく唯一
登録されている電話番号にかけてみた
たぶん、彼が登録してくれたのだと
勝手に察したのだ
しかし
何回もコールが鳴っても出てくれない
「仕事中かもな・・・・」
私はため息をつきながら
電話を切り
リビングに戻った
テーブルにスマホを置くと
腰を下ろして考えた
こんなスマホとかは気が付く
気の利いた人だけど
暮らす上での大事な鍵を忘れる
おっちょこちょいな所もある
本当に不思議な人だ
まぁ・・・・
私を助けた時点で
変わった人であるのは
間違いない
「鍵、どうしよう・・・・」
私はため息を付きながら
窓の外に浮かぶ雲を見ていた
でも
ちょっとだけ笑いっていた
スマホを用意してくれた
優しさを思うと
微笑まずにはいられなかったのだ
「まぁ、忘れる事もあるよね・・・」
そう言いながら
私は目の前のスマホを
指で撫でていた時だった
私のスマホに着信が突然に入った
私が慌てて出ると
横山『もしもし、俺やけど
何かあったん?』
電話向こうで
彼の声が聞こえてきた