第6章 驚き
不安そうに聞いてきた私に
彼はしっかりした口調で言ったのだ
横山「そうや、ちゃんと冷蔵庫には水とか
ビールは入れてて欲しいねん」
彼の言葉に頷きながら
「わかりました
言われた物は
ちゃんと買っておきます」
私はそう伝えると
彼から封筒を静かに受け取った
すると、彼は立ち上がると
私の前に背伸びしながら言った
横山「俺、夜の仕事前に
ちょっと出かけて来るから
掃除しててや」
それだけを告げると
リビングから出て行ったのだ
私は彼の背中を見送り
この綺麗な部屋の
どこを掃除したら
いいのだろうと思っていた
ため息をしながら
とりあえずは
掃除機を探す事から始めた
人の家は
どこに何があるか分からない為に
私は一人で色んな所を開け
探していると
着替えをした彼がリビングに戻って来た
横山「なにしとるん?」
ゴソゴソと部屋を探している私を見て
彼は驚いた顔をしていた
「えっ?掃除機を探してるんです・・・」
私は恥ずかしそうに言うと
彼は笑いながら
横山「悪い、悪い
掃除セットは
向こうのクローゼットやねん」
「掃除セット?」
その言葉に私は驚いた
しかし、彼は私を誘導するように
振り向きながら歩いていたので
私は着いて行くと
家の廊下の一番奥の
クローゼットを彼は開くと
きちんと並べられた
掃除機とかバケツとかが
ちゃんと置かれていたのだ
横山「掃除セットはここやから
使ったらちゃんと直しててや」
そう言うと
彼はもと来た廊下を引きかえした
横山「ほんなら、
俺はちょっと行って来るから頼むで」
そう言うと
私に軽く手を振ったのでした
残された私は
そのお掃除セットを見ながら
ため息をついていた
「ここまで、きっちりした人なんだ・・・」
私は彼に綺麗好きさに驚いていたのだった