第5章 家政婦
私の笑いに彼は驚いた顔を見せた
横山「な、なんやねん」
「いえ・・・
何かお母さんみたいだなって」
私は笑い続けてしまった
すると彼は少し拗ねた顔をして
横山「なんやねん!おかあちゃんて
俺は女ちゃうし」
私は彼の拗ねた理由に驚いた
「怒る所はソコですか?」
私の言葉に彼は
更に顔を真っ赤にして怒る
横山「な、なんやねん!」
そう言うと
怒りながら立ち上がると
キッチンに向かったのだ
私はその背中を見送っていたが
彼が言ったように
食べ物を粗末にしないように
また食べ始めた
すると彼はビールを手にして戻って来た
そして、何事もなかったように
静かにソファーに座ると
ビールをおもむろに開け
またテレビを見だしたのだ
また始まった奇妙な空気
私は黙って食べ続けていた
すると今度は彼が
私を見つめていた
私はその視線を感じて彼を見ると
彼は少し笑っていた
私は、黙って彼を見つめた
彼の笑っている理由を必死で考えた
すると彼が自分の口の端を指で指しながら
横山「付いてんで・・・」
私はその言葉で慌てて
口の端を拭いた
拭いた手にはケチャップが・・・
彼はビールを飲みながら笑っていたのだ
そう、さっきの仕返しのように
そんな彼を見て
私は子供かっと思っていた
こうしてその夜に
私はアイドルの家政婦として
働くことになったのでした
これから
私と彼の奇妙な生活が
本当にスタートしたのでした