第5章 家政婦
それからしばらくして
彼はコンビニの袋をぶら下げて
部屋に帰って来た
そして
待っていた私の前に
コンビニのお弁当を置くと
横山「これでええか?」
そう言いながら
ソファーに腰を下ろしたのだ
私はお弁当を目の前にして
頭を下げながら申し訳なく言った
「何から何までお世話になって
本当にすいません・・・」
私の言葉を聞きながら彼は
ビニール袋の中から
ビールを出すと缶を開けながら
横山「ええんやで・・・」
それだけを言うと
テレビのスイッチを入れた
無言の二人の中に
テレビの音が関係なく入ってくる
この変な空間の中で
私はお腹が空いていたので
ご飯を必死で食べた
彼に聞きたい事は山ほどあったが
聞くに聞けない空気だったし
やっと食べられるのを
我慢できなかったのだ
そして彼のプライベートの時間
ゆっくりしている時間を潰すのが
悪いと思ったのだ
彼の方は
時々テレビが面白いのが
小さく笑って楽しんでいた
そう私が居ないかのように
そんな彼が気になってしまい
その顔をチラチラと見ながら
胃にお弁当を流し込んでいった
彼は必死で食べている私を見ると
横山「そんなに、急いで食べんでも
取らんで・・・」
そう嫌味を言いながら
ビールを飲んで笑ったのだ
その嫌味を受けて私は言った
「本当に、すいません・・・」
私は言葉の後に
静かに箸を置いた