第5章 運命の瞬間
マフィアの超高層ビルのエレベーターで最上階へと向かう。
機械的な音と共にその動きは停止し、ドアが開いた。
部屋を護衛する者にその旨を伝え、通してもらうと、今まで1度だけ来たことのある貫禄のある扉が目に入る。
「おまえは此処にいろ。」
「はい…」
扉の向こうに織田作が消えてから、十数分が経過した。
今のところ、銃声は聞こえてこない。
強いていうならば、女の子の怒り声と首領の泣き声が聞こえてきたが、これには触れてはいけない気がするため、聞かなかったことにする。
もう数分待つと、織田作が出てきた。
「太宰を手伝え。という命令だ。」