第4章 マフィアでの生活
薄暗い地下牢で、その日も練習は行われていた。
芥川の指導は相変わらず太宰ひとりが行っており、多少危険も伴うため、くるみは
少し離れたところで、銃の使い方を練習していた。
「というわけで使い方はわかったな?」
中也の説明を聞き、くるみは頷いた。
「よし。なら撃ってみろ。」
私が引き金を引くと、弾は的のはるか右側に向かって飛んでいく。
「……絶望的だな」
呆れた様な中也のセリフ。
「すみません…」
「ったく」
中也は私の後ろに回ると私の手をつかむ。
「…!?」
何かと思い私は思わず身じろぎする。
「銃身が傾いている。」
私の手と銃に手を添えて固定し、「ここが悪い」「こうしたほうがいい」と、的確なアドバイスを始めた。
何なんだこの女は。
銃の一つも使えねぇくせに何故マフィアに入ってきたのか。
まったくもって理解不能だ。
大方太宰に強引に決められた話なんだろうがなぁ。
…震えてるのか?この女。
そりゃそうか。いきなりマフィアの謎の男に銃の使い方とか教えられてんだもんなぁ。
無理もねえか…。
別に何もしねーっての。ったく。
そんなあからさまにビビるなよな。
いくら俺でもちょっと傷つくぞ…。
俺、こういうの苦手なんだよ。ったくよぉ。
「銃身が傾いている。」