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【文豪ストレイドッグス】黒い世界に生きる少女

第4章 マフィアでの生活


その日の夜、くるみは部屋に戻ると、その日のことを思い返していた。

いつも笑顔で、だけど怖くて、少し変わっている、太宰治。
無口で落ち着いていて、それでいて時折とても優しく笑う、織田作之助。
激しいオーラを放ち、でもどことなく無邪気さを感じさせる、中原中也。
そして、自らの思いを持ち、一生懸命前に進もうとしている、芥川龍之介。


彼らは皆、ポートマフィアだ。
世間からは怖れられ、忌み嫌われる存在になっているのかもしれない。
…そして、私もーー?


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芥川は考えていた。
僕は、何をしているのだろうか。
このままでいいのだろうか。
今迄はその迷いがあったのだ。

だが、迷い続けて何になる?

今日わかったこととして、太宰さんは、宣言通り僕にとても厳しく当たるつもりのようだった。
だが、構わない。
それで僕がさらなる力を得られるのなら。

何より今日、あの日以来初めてのあいつの笑顔を見た。
すっかり忘れていた。
あいつの笑顔を。そのまぶしさを。輝きを。
だが、それを取り戻したのは、僕ではなかった。

『私の分もあげるね!』

何故だろう。
胸が締め付けられるように痛かったのだった。

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