第4章 マフィアでの生活
「お前らか。太宰の連れてきた新入りってのは」
不意に男の声がして振り返ると、帽子をかぶった男が冷たい目でこちらを見下ろしていた。
「中也…!!」
中也?
くるみが不思議そうに見ていると、男と目が合う。
中也は不敵な笑みを浮かべた。
「しかも女の子ときたもんだ。お前の心中ごっこに今度は組織と一般人を巻き込む気か?」
「心外だなぁ。何もそんな目的で引き入れたんじゃあないよ。」
太宰はクスッと笑うと、「もちろん心中してくれる美女は随時募集中だけど」と付け加えた。
「…きもちわりぃ…とっとと死ねよ」
中也は露骨に嫌な顔をして、芥川とくるみに向いて言い残した。
「…気をつけろよ」
「あーあー、全く。せっかくの楽しいお昼なのに台無しだよー。」
その声に、やっとのことで食べ終えた芥川が口を開く。
「彼は…?」
「小さくてかわいい男の子!」
太宰はベーっと下を出して云う。
「ただ、認めたくないけど、ものすごい凄腕のマフィアだよ…」