第2章 キャスト決定!
ゼーハーゼーハーと、肩で息をしながら
部室に転がり込む。
走ること自体は、疲れなかったのに
黒尾さんに捕まったら、あらぬ事させられそうって思うくらい
目の光る黒尾さんから逃げるのに必死だった。
孤「そら、大丈夫?」
お水を渡してくれる研磨
そら「二年生の癒しは研磨と力君だけだよー!
研磨ありがとう!大好きっ!」
ぎゅっと抱きつく。
私の回した腕に優しく触れて、困ったように笑う。
孤「そら、離して…。痛い。」
何がとは、具体的に言わなかったけど、
研磨は視線を泳がせていた。
そら「ごめんね、研磨。」
と、謝ると顔を合わせずに、
静かに下を向いた。
あのサラサラとした髪の隙間から見えた耳は
少しだけ赤かった。