第12章 未来からの落とし物/徳川家康
「え?……そうかな?」
「そうですよ。凛様ほど可愛いらしい方は、この世にはいません」
「もうっ……三成くんったら誉めすぎだよ」
仲良く笑いながら廊下を歩いてくる凛と三成。
その2人を見ているだけで俺は苛々としてくる。
何で苛々するのか……
そんな事わかりっきっている。
俺以外の男と仲良くしている凛を見るのが嫌なんだ。
単純に嫉妬している。そんな自分がみっともない……そう思っているけどしょうがない。
それだけ凛の事が好きなんだから
まあ、相手が三成なのも気に入らない
「私は事実を言っているだけですよ……凛様」
「?(うわっ……顔が近いよ)」
「私のつま」
「……何やってんの?」
凛と三成の間に割ってはいる。
それ以上は言わせない
「……ちっ」
「なに?いま……舌打ちした?」
「そんな……舌打ちなんてするわけないじゃないですか」
にっこりと笑ってみせる三成だけど
目__笑ってないから
誤魔化そうとしても俺には通用しない
三成が凛を狙っていることなんか俺には分かっているんだからさ