第11章 にゃーむね/伊達政宗
「にゃあー!にゃあ-!!」
「ネコの真似か?」
違うっ
そうじゃなくてっ
ネコの真似じゃなくて半ネコ化してるの
光秀さんのせいで!!
言葉にして伝える事が出来ないもどかしさに涙でそうだよ
必死になって喋っているのに私の口からは「にゃ~」しかでてこない。
「ふむ……」
最初は愉しそうに私を見ていた政宗も今は、とても真剣な顔をして私の言葉を理解しようとしてくれているんだけど(伝わる気がしない)
涙がこぼれてきて拭いたいけど上手く手が動かせないから、政宗の胸に顔を押しあてて拭うしか出来ないし。
「そんなに泣くな」
頭の上に優しい重み
政宗の声がすぐ近くで聞こえる
「最初は何かの遊びかと思ったが」
「んにゃ?!」
「っ!!……急に頭をあげるな……」
あ……
私の頭が政宗の顎を直撃しちゃったみたい
眉をしかめて痛みに耐えてる
ごめんなさい
「気にしなくていい……それより俺の言っている言葉はわかるのか?」
「にゃー!(うん!)」
「わかったなら頷けよ」
首が千切れるくらいの勢いで頷く
よかった
これで多少の意思の疎通が出来るよ
「お前何処かに行こうとしてたのか?」
「にゃー!(うん)」
「厠か?」
違うわよっ!
「腹減ったから台所か?」
違うー!!
本気で考えてる?!
なんか面白がってない?
「(にゃあ、にゃあと……可愛いすぎだな)
……誰かに会いにいくつもりだったのか?」
「にゃあー!(そうだよ!)」
「俺の知ってる奴か?」
「にゃーひで!!(光秀さんだよ!)」
「にゃーひで……?」