第11章 にゃーむね/伊達政宗
廊下を赤ちゃんのようにハイハイをしてる姿なんて恥ずかしすぎる。誰にも見つからないうちに急いで光秀さんの所に行かないと……
(まだ夜明け前)
それにしても……
歩きにくい
目線がいつもより低いせいもあって視界が狭いような気がするし
「にゃあ~?……(なんだろう?)」
廊下の隅っこに紙切れを見つけたんだけど。
手を伸ばして掴もうとしても指が開いてくれないから上手く摑めない。
悪戦苦闘の末なんとか紙切れを懐にしまうと
「お前……何やってんだ?」
頭上から低くて艶のある声
見上げると呆れたような笑みを浮かべている
「?!……にゃ~むね?!(政宗?!)」
「にゃ~?」
「っ……!!」
私に目線を合わせるようにしゃがみ込んで「にゃ~」って首を傾げてる政宗が可愛い!!
顔が崩れてしまいそうになるのを踏ん張る。
政宗の可愛いを堪能している場合じゃない。
早く光秀さんの所に行かないと
政宗の脇を急いで通り抜けようとすると
「んにゃ?!」
襟首をぎゅっと掴まれて動けない。
お願いだから……見逃してよ
「こら……逃げるなよ」
「にゃあー?!(ちょっ?!)」
喉を鳴らすように笑いながら私を抱きかかえる政宗。
目線が一気に上になったのは嬉しいんだけど、政宗の端正な顔が近くて、胸がはちきれそうなくらいドキドキとする。
「何の遊びだ?」
……遊ばれていると思う
光秀さんに