第10章 桜の木の下には……/上杉謙信
「んぁっ……」
素直な身体の凛は、俺の唇が首筋に触れるだけでも吐息を洩らしだす
その声を聞いているだけで俺の男根は猛々しく滾り、凛を求める
(俺も素直だな)
「んっ……謙信……っ」
凛の細い指が俺の髪を梳くいあげる。
露わになった俺の首筋に柔らかい唇の感触
「……っ」
何度も離れては吸い付いてくる唇
その微かな痛みが凛の俺への愛ならば、俺もお前を愛そう
桜の木に凛を押し付け着物を乱していくと、露出した白い肌に桜の花びらが舞い落ちてくる
まるで桜の木に愛されているようで、心が落ち着かない。たとえ桜の木であろうとも凛に触れていいのは俺だけだ。
桜の花びらを散らすように激しく凛を突き上げても欲求は収まる事はない。
凛のすべてが欲しい
心も
身体も
儚く消えていく命でさえ__
俺から凛を奪う者は何者であっても赦さん
「んっ……けんしん……口付けして……」
「凛が望む物はすべて与えてやる
__だから、俺から離れていくな」
力を込めて抱きしめたら折れてしまいそうな細い身体。
それでも俺は構わず力を込める
「……死にたくないっ……」
涙を堪えて呟く凛の言葉に胸が締め付けられて、現実を思い知らされてしまう。
凛の身体は死病に侵されているなど
__俺は認めない。
認めたくない、認めるつもりもない
その思いをぶつけるかの如く俺はいつもに増して凛を激しく抱いてしまう。
片脚を抱え、凛の奥まで己のイチモツを突き上げる。
「んっ……ぁ……謙信っ……謙信……」
啼きながら俺の名を何度も呼ぶ凛
辛いのはどっちだ?
残される方か?
残して逝く方か?
答えはどちらも一緒だ