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イケメン戦国 ◇甘い囁き 2◇R18

第7章 糸電話/猿飛佐助


「佐助くん……?」


声は聞こえるけど俺の姿が見えない凛さんは、身体を起こして薄明かりの部屋を見回している。

もちろん天井の板はしっかりと閉じてあるから凛さんからは見えない
(俺は覗き穴から凛さんの様子を見ているけど)


「枕元に糸電話があるから……使って」

「糸電話……?」


不思議そうに首を傾げながらも枕元にある糸電話を耳にあてる凛さん。



「どうしたの?」

「たまには糸電話で話すのもいいかと……」

「くすっ……それだけの理由で?」

「駄目かな?」



こんな夜更けに糸電話で会話したいっていう俺は引かれてしまうのは承知している。

それでも俺にはこの方法しか思いつかないんだ。


「いいけど……」

「いいけど?」

「なにかあったの?」


さすが聡い凛さん。
ただ俺が糸電話で会話したいだけではないのをわかってくれている。

もとより凛さんに隠し事をするつもりはない。
そのために糸電話を用意したんだから


今夜、俺はすべてを凛さんに打ち明けるつもりだ。


「驚かないで聞いてほしい」

「うん……」

「もう此処には来れないと思う」

「どうして?」


糸電話を通して伝わってくる凛さんの戸惑い


「俺は生死を分ける大きな戦にいかなければならない」

「……嘘……でしょう?」


凛さん、声が震えている……
今すぐにでも傍にいって抱きしめたい衝動を抑え込む。
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