第5章 何度でも……/豊臣秀吉
なっちまうっていうのは正確ではないな。
既に凛を押し倒して口付けをしちまっている。
性急すぎていると自分でもわかっちゃいるけど、やめられない。
戦場という命のやり取りをしていた場所にいた俺。
生きて戻ってきた事を実感したくて凛を抱いてしまう。
まあ、それだけじゃないけどな
俺の身を案じて泣いている凛が素直に愛おしい。愛おしくてたまらないから、つい……な?
「んっ……ダメだよ……」
頬を桜色に染めてるくせに俺の胸を押し上げようとしてくる凛
「久しぶりに凛に逢ったんだ。思いっきり甘やかしたい」
「だって……けが……してるでしょ?」
「さっきも言ったろ? 大した事ないって」
「でも……っ……」
まだ何か言いたげな凛の唇に指をたてる。
「凛……」
「っ……(そんな熱を帯びた瞳で見つめないでよ……ダメって言えなくなっちゃう。私だって秀吉に甘やかしてもらいたいもの)」
「……な?」
「……少しだけなら……」
いまにも消えてしまいそうな声に胸が鷲摑みされちまうだろ
どうしてそんなに凛は可愛いんだ?
抱き急ぎたくはないと思ってはいるが……
駄目だな
早く凛を感じたくて股間が疼いちまってる
(少しは自重しろよな、俺の息子)