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イケメン戦国 ◇甘い囁き 2◇R18

第5章 何度でも……/豊臣秀吉


「うっ……ふ……ひっく……」

「ほら……もういい加減、泣き止め……な?」

「っ……だ、だって……」


さっきから俺の腕の中で泣いているのは、俺がこの世で一番大切にしている女__凛。

国境でちょっとした諍いがあり、それを収めるために暫くの間、城を留守にしていたんだが今さっき戻ってきたところだ。

信長様への報告が終わったあとすぐに凛の部屋を訪ねたんだが、俺の顔を見るなり泣き出す始末。

凛が泣いている理由はわかっているつもりだ


「久しぶりにお前に逢えたんだ……笑顔を見せてくれ」


こぼれ落ちる涙を拭ってもすぐに溢れだす涙


「だって……ひでよしっ……け、怪我をっ……」

「凛は大袈裟だな、これくらいの傷は大した事ない」


確かに俺の左肩には矢傷がある。
ちょっとしたヘマをして受けてしまったものだ。
だが、戦場に行って無傷で還ってくるのは稀だ。命があるだけマシというものだろ。

(女の凛にはわからないかも知れないがな)


「でもっ……私、心配で……」

「悪かったな」


いつものように頭を撫でると、懸命に笑顔を作ろうとする凛が愛おしくて……

まだ昼間だっていうのにもっと触れてしまいたくなっちまう
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