第4章 物の怪/明智光秀
「そんな……どうしたらいいの?!」
物の怪に憑かれているなんて信じたくはないけど
ここ何日かの夜の出来事を思いだせば、信じたくないけど納得してしまう。
正体のわからない物に憑かれている__
それを認識するだけで全身が震えてくるし、体温が一気に下がっていく。
怖い……
まだ死にたくない
やりたい事が沢山あるもの
「……助かるにはあの方法しかないか」
「助かる方法があるんですか?!」
「……1つだけあるが……」
「教えて下さいっ!!」
「簡単な事だ。結界を張ってやり過ごせばいいだけだ」
「結界?」
「ただ……」
「ただ?」
「結界を張る行為にお前が耐えられるのか
__疑問だな」
いつものような薄笑いを浮かべる光秀さんにぞくりと背筋が震えてしまう。
光秀さんの瞳の輝きが妖しくて怖い
でも死ぬ事を考えたら……
死ぬ方が怖いよ
「どんな事でも耐えてみせます!!」
まだ死にたくないよ
どんな辛い事でも命が助かるなら耐えてみせる。
「お前に耐えられるとは思えないが……」
渋る光秀さんを何とか説き伏せて助かる方法を聞いた私は、唖然としてしまった。