第26章 ホタル
甘いキスは唇だけじゃなかった。
光秀さんの唇は、頬に、おでこにと降り注いでくる。
私はその唇を背中にしがみついて受けとめるだけ。
どうしてそんな甘いキスをしてくれるの?
私の都合の良い解釈をしちゃうよ
それでいいの?
「ん……光秀さ……ん……っ……」
口を開こうとすると唇を塞がれてしまう。
「んっ……」
光秀さんの指が私の耳を優しく嬲りはじめて熱を帯びてしまう。くすぐったいような感触に背中がぞわぞわとしてきちゃうんだけど……
「んぁ……」
熱をもった耳は光秀さんの舌で冷やされ、そのまま首すじ、鎖骨とおりていき……包み込むように胸を揉まれてしまう。
「だ……だめ……これ以上は……」
「いやか?」
イヤじゃないけど、嬉しいけど
「恋人でもないのに……だめ……です」
「こいびと……?」
「……好きあっている……人たちの事です」
「凛は俺の事を好きだろう?」
「っ……はい……」
(つい、流れで返事しちゃったよ)
「ならば問題あるまい」
「……それって……」
「察しろ」
「え?」